ポテトチップスの形と味わいの仕組み。原料から探るおいしさの秘密

1. ポテトチップスの原料:ジャガイモの品種選びと産地

ポテトチップスの袋の裏面を見ると、原材料名には「じゃがいも(または馬鈴薯)」としか書かれていません。しかし、その裏側では品質を保つための細かい工夫や選別が行われています。
産地と品種の選び方
時期に合わせて産地を変える「産地リレー」
春は九州、夏は本州、秋から冬は北海道というように、日本全国の契約農家からその時期に一番状態の良いイモを順に仕入れています。
プロ専用の品種と「デンプン価」の測定
一般的な食用イモとは違い、ポテトチップス工場では「トヨシロ」をはじめとする、糖分が少なく揚げたときに焦げにくい専用の品種が使われます。工場に届いたイモは、水中の重さを量る「水中重量法」などでデンプン含有量や糖度が測られ、基準を満たしたものが使われます。
この厳選されたイモが工場に届いたあと、「生イモのままスライスして揚げるか」「一度粉にしてから成型するか」という、大きく2つの作り方に分かれます。
2. イモをそのままスライスするタイプ(直揚げ系)
私たちがよく目にする王道のポテトチップスです。皮をむいた生のジャガイモをそのままスライスして揚げます。カットの方法や熱の加え方によって、さまざまな食感が生み出されます。
ノーマル(平切り)

厚さは約1.2ミリから1.5ミリ前後です。スライスした後に表面の余分なデンプンを洗い流し、お湯にくぐらせる工程を挟むことで、揚げたときに黒く変色するのを防いでいます。
ギザギザカット

刃を波状にして厚めにスライスしたものです。平切りよりも表面積が広いため、あとからかけるパウダー(塩やコンソメなど)がよく絡むようになっています。
釜揚げ製法

一度に大量に作る方式ではなく、昔ながらのバッチ式(少量を揚げて油を入れ替える方式)に近いシステムで作られます。厚切りのイモを入れることで油の温度が下がり、それが独特の歯ごたえと香ばしさにつながります。
ノンフライ
油で揚げる代わりに、オーブンなどで熱風や遠赤外線を使って水分を飛ばします。油っぽさが抑えられ、イモ本来の風味がダイレクトに感じられます。
3. 一度生地にしてから形を整えるタイプ(成型系)

ジャガイモを一度すりつぶして乾燥させ、シート状に延ばしてから同じ形に型抜きして揚げる方法です。生イモとは違う独自の特長があります。
生地と成型の特長
生地に「フレーバー」を直接練り込める
生イモを揚げるタイプは表面にしか味をつけられませんが、成型系は粉末状の生地にチーズやスパイスを直接練り込むことができます。そのため、どこをかじっても均一な味わいになります。
マッシュポテトの食感を再現する技術
フレークにする際、細胞壁を壊しすぎない低温乾燥技術を使うことで、粉から作っていても生イモに近いホクホク感や口溶けを出しています。
揃った形と独自の食感
大きさや厚みが均一で、軽い食感に仕上がります。また、緩やかなカーブを描く形状にすることで、パッケージの中で割れにくく、効率よく詰められるようになっています。